bS14「ヨトウムシと昆虫疫病菌」
ソバ畑に大発生していたヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)であるが、昆虫疫病菌というカビの蔓延によりせん滅した。 感染した幼虫は、「夜盗蛾」であることを忘れ、白昼移動を始める。そして、ソバや周辺の植物の頂部にたどり着くと死んでしまう。

2キロ四方のソバ畑でこうした現象が見られ、幼虫の屍を頂いたソバの花が累々と続いていた。その数は数万、いや数十万で あろうか。

夜になると死体からは大量の胞子(分生子)が放出され、風に乗り広く飛散してゆく。夜はヨトウムシの活動時間。 昆虫疫病菌は静かに降り注ぐ…。

写真1:昆虫疫病菌に感染し、植物の先端で死んだヨトウムシ 2007.9.10 安曇野市三郷
写真2:夜、死んだ幼虫から放出された分生子とその顕微鏡写真(×400)2007.9.14
写真3:ヨトウガ成虫 2007.8.25 松本市
写真No1(死んだヨトウムシ)
写真No2(顕微鏡写真(×400))
写真No3(ヨトウガ成虫)